コラム

魅力ある中等教育に向けた取り組みの推進をpart2

2019/02/28 4:12 に 早尾恭一 が投稿   [ 2019/03/07 9:54 に更新しました ]

2020年といえば東京オリンピック・パラリンピックの年ですが、子育て世代にとってはもう一つ、大学入試改革という大きな意味を持つ年でもあります。文科省は高大接続改革の取組みの一環として、高校や大学の教育課程の全面的な見直しや現行のセンター試験の廃止、「大学入試共通テスト」の導入等の大きな改革を予定しています。またこの改革に対する不安の高まりから中学受験への注目が集まり、中高一貫校や大学附属中学校の受験倍率はここ数年、全体的に上昇傾向ともいわれます。特に中学受験の土俵にのぼっている区立九段中等教育学校(以下、九段中等)は、そういった社会情勢を見極めつつ、目指している学校像、育てたい生徒像を実現していくためにも、その方針や経営全般を中長期的視野に立って考えていく時期に来ているのではないかと考えます。

本区が策定した「中等教育将来像」からは九段中等が目指す方向性として、学力が身につき、学校行事や部活動が盛んで、キャリア教育が充実しているといった学校像が浮かんできます。しかしながら、一区立校がそれだけのメニューをこなすことはかなりハードルが高く、これまで教員の皆さんの献身によって支えられてきた部分も大きいと察します。ハードワークで敬遠されがちな学校となりつつある九段中等の将来を考えたときに、子供たちの育成にとっても、教員の働き甲斐のある職場としても、今のままでよいのだろうか?という一抹の不安がよぎります。

区立中学と都立高校とを統合し、区立の中等教育学校として運営している例は、全国でも唯一のケースです。九段中等の運営は、区が策定した将来像や報告書の内容や方向性に沿う必要がありますが、都立校での職歴の長い教員が校長職に就くことから、その裁量権の中で、区の方針と調和できるよう意思疎通を図るとともに、区の示す指針も時代に応じて見直していく必要があります。例えば経営も含めた観点からいえば、規制改革により公設民営で学校経営に民間のノウハウを取り入れる国家戦略特区法の活用もその一つです。かなり斬新な提案になりますが、それぐらいのカンフル剤を以ってでも、九段中等は創って終わりにしてはいけないと思うのです。「人は宝、教育は百年の計」といわれます。特別区でありながら後期中等教育(高等学校相当)まで預かる本区にとって、中等教育の充実は将来を見据えて本気で考えていかなくてはならない切実な課題であり、これからも継続して注視していきます。

<平成30年 第2回定例会(6月28日)>

非喫煙者と喫煙者の共生のために

2019/02/28 3:10 に 早尾恭一 が投稿   [ 2019/03/07 9:56 に更新しました ]

2020年の東京オリンピック・パラリンピック(以下、オリパラ)を控え、さまざまな準備が急がれる中、国の法改正、都の条例制定を踏まえ、オリパラを契機に望まない受動喫煙を無くそうという取り組みが区政においても加速しています。

本区ではこれまで、生活環境整備の観点から、路上喫煙禁止をルール化するなど全国に先駆けた取り組みを進めてきた一方で、近年では事業所や飲食店等での禁煙化が進んだ結果、目立たない裏通りや公園などに喫煙者が集中してしまうという課題が生じています。特に昼間人口80万以上の本区では、区民の喫煙率は12.7%と国や都よりも低いものの、受動喫煙の機会のある人は58.8%となっており、公園を利用する機会の多い子供や子育て中の方々にとって、公園での喫煙問題は長年の懸案事項となっています。

そのため本区では、分煙化のため公園内に喫煙場所を設け積極的に対策を講じてきました。ところが平成30年度計画において唐突に区内16公園の全面禁煙化とこれまで整備してきた公園内の分煙スペースの廃止が示され、また今後公園内に増設予定であった密閉型喫煙室を将来的に撤去し、代替案として明確な経費も場所の提示もないまま移動トレーラー方式の喫煙室(喫煙トレーラー)の準備へと突然方針が切り替わりました。

そもそも、国や都の健康増進法の観点からの屋内禁煙の方針と、千代田区の生活環境条例における路上喫煙禁止の考え方とをお互いそのまま走らせると、屋外における喫煙者の居場所が無くなってしまうという構造にあります。喫煙者も非喫煙者もお互いに心地よく過ごせる共生社会を目指しつつも、オリパラという時限的な錦の御旗のもと、喫煙所の受け皿整備が間に合わないまま急激に禁煙化だけが進み、その結果、隠れた路上喫煙を助長することになれば本末転倒といえます。

昼間人口約80万人という現実を考えると、拙速な禁煙化の推進の前に、まずは喫煙者の受け皿を早急に整備し、地域の事情を踏まえながら望まない受動喫煙を無くしていくべきとの思いから質問を行いました。

<平成30年 第1回定例会(3月1日)>

公共施設の耐震対策と速やかな機能整備を

2019/02/28 2:54 に 早尾恭一 が投稿   [ 2019/03/07 9:59 に更新しました ]

大きな地震発生の際、ビルや体育館などでは柱や梁など建物そのものは壊れなくても、内壁、外壁や天井等が壊れることは多くあるといわれます。熊本地震でも実際にありましたし、東日本大震災の際にも本区内の小学校の体育館の天井の一部が落下した例がありました。特に、体育館のような公共施設がこのような被害にあった場合、避難所としての機能が果たせなくなることも大きな問題となります。

一方、近年開発されてきた免震構造や制振構造は、国内外で1990年頃から多くの建築に使われ、熊本市でも免震構造の病院では地震発生後も普段の医療を続けることができたと聞き及びます。本区においても、大規模災害の際に多くの人が集まり、収容する場となる公共施設について、今後、大規模改修や新規建築にあたっては内装や天井の安全の確保を講じるとともに、災害は季節によらず発生するため、例えば空調システムが未整備な区立の体育館への早急な整備の必要性を訴えました。

本区では、昼間人口と夜間人口の格差は80万人弱あります。災害はいつ起こるかわかりません。また公共施設の耐震対策は予算の確保と慎重な設計が必要となり、一朝一夕にできるものではないだけに、平時からの地道な取り組みが重要です。有事の際の区としてのキャパシティの検討やそれらの施設に必要な機能の確保について、今後も整備計画とその遂行状況をたゆみなく確認していきます。

<平成29年 第3回定例会(9月28日)>

魅力ある中等教育に向けた取り組みの推進を

2019/02/28 2:45 に 早尾恭一 が投稿   [ 2019/03/07 9:59 に更新しました ]

平成273月、本区の中等教育の在り方検討会が報告書をまとめました。平成14年度に策定された「千代田区の中等教育将来像」に掲げた施策の成果と課題の検証を踏まえ、「魅力ある学校づくり」「学校の適正規模の維持」「区立中学校の学力向上の取り組みの充実・周知」の3点を今後の方向性として定めています。

例えば、『学力向上への取り組み』として、「宿泊行事の検討」「放課後等の学習機会の充実」が示される一方で『魅力ある部活動への取り組み』も掲げられており、今後の方向性自体に、「放課後の学習機会の確保」と「部活動の充実」という二律背反ともとれる大変難しい命題が示されています。そして、それらの課題に対して限られた教職員数で対応していくことは、物理的にも精神的にも大変負担が大きいのではないかと察するところです。

学校教育法の一部改正により平成294月からは学校におけるスポーツ・文化・科学等、教育活動に係る技術的な指導に従事する「部活動指導員」を配置できるようになりました。報告書のなかでも、部活動の一部を地域の人材へ委託することが検討事項にあげられており、生徒のニーズに応えられる部活動の在り方が模索されています。

区立小学校第6学年児童を対象としたアンケート(平成2510月実施・総数391名)では、「どのような学校に通いたいと思うか」という質問(複数回答)の選択肢14項目のうち、一番多かった回答は「部活動(文化部・運動部)や行事がさかんな学校」で、公立希望者・九段希望者ともにそれぞれ40%以上の児童がそのように回答しています。したがって、本区の中等教育将来像の大命題である「区立小学校から区立学校への進学率の向上」にとって、「部活動の充実や活性化」は魅力ある学校づくりの大きな鍵の一つとなります。

報告書ではさらに『意欲の高い教師の確保』『教師等の指導力の一層の向上』が掲げられています。教職員が本来の業務に対する時間を確保でき、また教師一人一人がやりがいをもって働けるような学校にしていくことが、ひいては生徒の学力向上、部活動の充実やそれらを通した人間形成につながります。そのためには部活動指導員の導入を含む、教師をサポートする立場の人員の拡充や、個々の教師の資質の向上のための研修研鑽機会を増やす等の早急な取り組みの必要性を訴えました。

<平成29年 第3回定例会(9月28日)>

百折不撓の思い

2019/02/27 9:05 に 早尾恭一 が投稿   [ 2019/02/27 23:34 に更新しました ]

 昨年は地震や豪雨など全国各地で大きな災害がおきています。犠牲になられた皆様のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災地の皆様が一日も早く安心できる生活を取り戻されますことを心よりお祈り申し上げます。事なき(=無事)毎日が当たり前ではないことを肝に銘じ、防災活動にも心して取り組みたいと思います。 

さて、平成最後の夏が終わりました。夏の風物詩の一つ甲子園。昨年は第100回の記念大会でもあり、朝日新聞では「白球の世紀」という半年間にわたる連載がありました。「春夏の甲子園の開会式はテレビで必ず見ます。君ら、よう頑張ってここまで来たなあ。入場行進を見ていると、そんな思いにかられて、いくつになっても涙が出ますねえ。」東京都が東西大会に分かれた最初の年、1974年夏に西東京代表となった佼成学園の今西錬太郎元監督(93歳)の言葉です。今西氏はプロ野球選手を経て高校野球の指導者となり、チームを春夏合わせて3度甲子園に導きました。晴れやかな全国の舞台と、そこに至るまでの努力との双方を知る今西氏の「君ら、よう頑張ってここまで来たなぁと涙が出る」という言葉に、地方大会を勝ち抜いて行進する選手への称賛と、その場には辿り着けずともそこを目指して戦い合ったすべての球児への思いを感じました。

そしてそれはスポーツだけでなく、どのような物事にも通じると反芻しています。どんなことも結果の理解にとどまらず、そこへ至るまでの過程に思いを寄せられることは、仕事においても日常生活においても人生を豊かにしていくと思うのです。区政においても同じです。基本構想策定からもうすぐ20年、中長期計画(ちよだみらいプロジェクト)後半に向けての中間見直しを控えた今、結果だけからの判断に偏らないよう、多面的な視点で本区の将来をしっかりと考えていきたいとあらためて感じています。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

表層地盤による揺れやすさへの地震対策を

2019/02/27 8:51 に 早尾恭一 が投稿   [ 2019/03/08 18:49 に更新しました ]

 同じ震度でも地区によって揺れの大きさが違うのは、表層地盤の粘土層の深さによって地震動の周期の伝わり方が違うからだということが、熊本地震の分析によりわかってきました。つまり地震発生時の被害の大きさは、単に地震の震度だけでなく、その揺れ方に大いに依存していること、またその揺れ方は表層地盤の粘土層の深さや、建物自体に由来する揺れの周期にも影響を受けることが明らかになってきました。

地震発生時の建物の揺れは、一般的に2階建てなどの一戸建ては短周期、高層マンションになるほど長周期となるといわれます。ビルなど、高さが違う建造物の多い本区においては、地盤の特性に加えて、建物の揺れ方の程度についても考慮した地震対策を検討していく必要があります。

そこで本区における表層地盤に関する分析の現状と、それらに基づいた地区による揺れやすさへの対策はどのようになっているか、また建造物の高さによる揺れやすさについてどのような課題があると考えているか、区の現状認識とその対策への取り組みの状況について質問しました。

自分たちが暮らす、または日々過ごす職場や学校の建物の揺れやすさを知ってもらい、万が一の時にはその被害を最小限にできるような平時からの備えが、昼間人口82万人を預かる本区には求められています。

<平成29年 第2回定例会(6月13日)>

子どもから高齢者まで 在宅療養へのサポート体制の充実を

2019/02/27 8:44 に 早尾恭一 が投稿   [ 2019/03/07 10:02 に更新しました ]

本区では平成27年より、かがやきプラザと九段坂病院との連携的な運用が始まりました。しかし、かがやきプラザ創設当初の基本計画に盛り込まれていた「訪問看護ステーション」が未開設であることには、その必要性を長きにわたり訴えてきた身として非常にもどかしい思いがあります。

本区の在宅ケアの拠点となるかがやきプラザへの訪問看護ステーションの設置は、区内の既存の訪問看護ステーションとの連携も含めて、区民にとっては大変な安心材料となるはずです。例えば訪問看護ステーションとの連携や協力が得られれば、医療処置の必要な要介護者の通所デイサービスである「療養通所介護」の提供や、医療的ケアが必要な児童に施設でケアや遊びを提供する「児童発達支援事業」を「療養通所介護」と一体的に運用することが可能となります。

これらは本人へのケアの充実はもちろん、日々の療養生活を支える家族の負担軽減にもなり、在宅ケアを支援するためには欠かせないサポート事業です。そしてそれら環境整備の実現可能性を考えたとき、医療機関との一体的な環境下のかがやきプラザだからこそ担える役割があるはずです。訪問看護ステーションの存在がさまざまなケアサービスの提供への拡がりの根幹になるとも言え、それが計画されながらも実現されていない現状について質問しました。

<平成29年 第2回定例会(6月13日)>

病児保育システムの整備の必要性

2019/02/27 8:27 に 早尾恭一 が投稿   [ 2019/03/07 10:04 に更新しました ]

本区の人口は近年、増加を続けています。人口構成をみると、20代後半から40代が高く、合計特殊出生率(一人の女性が一生の間に出産する平均人数)も平成26年には東京都の値を上回りました。また、14歳以下の子供に至っては、昭和50年代後半とあまり変わらない状況になっており、今後15年近くは年少人口が増え続ける見込みです。

このような状況のもと、保護者の就労による保育の需要も増え続けています。保育施設の新規開設や誘致など早急な整備が進められていますが、待機児童の発生を防ぐには至らず、今後しばらくはこの混沌とした状況は続くと予測されます。

そしてこのような預かる仕組みを整えた先に出てくる課題として、子供の突発的な発熱や発病など集団保育に適さない状況への対策、病児保育の問題があります。

本区ではこれまで就学前の児童の病後児保育には対策がいくつかありますが、病児保育については未整備の状況です。働く母親が増え、就学前から保育施設で過ごす子供が増えている状況を鑑みると、突発的な発熱の際でも保育をお願いできる環境があるということは、働きながら子育てをしている人々に安心をもたらし、その安心が気持ち的にも余裕をもって日々子供に接することにつながります。また病児保育の充実は無理な登園を減らし、集団保育における感染症流行の軽減にもつながることから、病児だけでなくその他の子供たちの健康の保持にも寄与することが期待されます。

病児保育の実現には、医師会を中心に関係各所との調整が必要です。その調整に労力や時間を要する案件だからこそ、一刻も早く、これらの対策に取り組む必要があることを訴えました。

<平成29年 第2回定例会(6月13日)>

情報セキュリティ確保に向けた対策について

2019/02/27 8:13 に 早尾恭一 が投稿   [ 2019/03/07 10:05 に更新しました ]

本区はその職務上、区民の個人情報をはじめとした非常にセンシティブな情報を大量に所有し、またそれらの情報をITシステムによって管理・運用する組織であります。特に昨年1月に運用が始まったマイナンバーによって、住基ネット、税、社会保障の情報が個人単位で一元管理可能となった現在、「情報をまもる」ことは基礎的自治体における最重要課題といっても過言ではありません。

総務省からは「自治体情報システム強靭性向上モデル」が提示されており(図5)、本区においても情報ネットワークの基軸である全庁LANのリプレース(入れ替え)の時期と重なったことから、速やかにその再構成の取り組みが進められています。しかしながら、文書管理・財務管理・人事管理などの自治体運営上非常に重要な領域に影響を及ぼすシステムの見直しにもかかわらず、具体的にどのような工程で、何をどのようにリプレースするのか、その取り組みの進捗については正式には見えてきていません。また万が一、インシデントが発生した際に、専門的な対応を迅速におこない被害や混乱を最小限に留めることができる体制の整備も求められているところです。


前回の定例会で質問した本区の職員数について、区長答弁では現時点では定数増は考えていないとのことでした。であるならば、人口増加も相まって増えている業務量に対し、職員一人一人のパフォーマンスを向上させることに力を注いでいく必要があります。ICTの活用という点でよく言われる「働き方改革」もその工夫の一つであり、システムリプレースのこの機会にこそ改めて、慣例的な業務の中にICTの活用で効率化できるものはないか、縦割りの中で各部署間で重複している業務はないか、また職員の仕事の仕方はどうか、各部署の意思決定システムはどうかなど、「ICTによって代替できるものは何か」「ICTによって効率的に情報共有が図れるものは何か」という視点で仕事を見直し、増え続ける業務量を少しでも抑制する方向へ導くことができる可能性があります。

本区では職員の新規採用を控えた時期があるため、空白の世代が生じ、年齢的なバランスに歪みが生じています。こういったアンバランスな状況をカバーするという点でも、ICTによる情報や知識の蓄積と共有は、長い目で見て、人材育成の点でも活用可能性があるのではないかと考えます。マイナンバー制度が始まったこともあり、情報セキュリティの強靭化は、区民が安心して暮らしていくために絶対に譲れない事項です。セキュリティの強靭化あってこそのICTの利活用です。そこで「情報をまもる」という大前提の強化に向けて、その対策の現状について質問しました。

<平成28年 第4回定例会(12月1日)>

行政サービスの安定的かつ継続的な提供について

2019/02/24 7:13 に 早尾恭一 が投稿   [ 2019/03/07 10:06 に更新しました ]

小泉内閣時代、骨太の改革路線の一環として、自治体の財政難の打開と経営効率化を図るため「民でできることは民で」という公の施設への民間活力の導入(アウトソーシング)が始まりました。民間開放によるデメリットを極力生じさせないよう、円滑な民間開放を運用するための指針として、本区では『民営化方針~公共サービスの民間開放の留意点~』が作成されています。(図1)

図1にある見直しのおもなポイントのうち、特に「選定基準の公表」という点では、例えばいきいきプラザ一番町の指定管理者の指定においては、公募として発表されたものが知らぬ間に非公募に変わっていたり、議会への報告時点より前に指定期間が原則の10年間から5年間に変わっていたりといった、競争性・透明性という点では疑問符を呈せざるを得ないことが実際に起こっていました。また公共施設の建築工事にかかわる指定管理者の指定では、いわゆるジョイントベンチャー(JV)のような複数の企業が共同企業体を形成するものもあります。それらの競争性・透明性・公平性の確保については、これまでの経験を今一度見つめ直し、整理していく必要があるのではないでしょうか。

一方で、社会福祉など、指定管理者が頻繁に変わることが望ましくない領域もあります。地域事情や住民との信頼関係、行政との情報管理の遵守状況などを総合的に鑑みて、公募をしない場合には、提供されるサービスが低下しないような管理方法やコスト削減意識の醸成など、実際には公募による競争はなくても、競争した場合並みの質の維持・向上が求められてこそ、区民にとって民間開放したメリットが生じるともいえます。

他方、民に対し官については、これまでの定例会や予算・決算委員会などの機会を通し質問を重ねてきた結果、本区の職員に求められる能力は、大きく分けて2つに集約されると整理されてきました。一つは「区民に分かりやすく説明する能力」、もう一つは「委託先の専門家や技術者に対しGOSTOPを判断し伝えられる能力」です。(図2)

忘れてならないのは、このように区職員の人づくりに対して丁寧に取り組んでいくことは、ひいては行政サービスを安定的・継続的に提供することにつながり、区民に安全で安心のある生活をもたらす、という到達目標です。

職員に求められる能力を整理していく中で、安定的・継続的な行政サービスの提供を目指していくにあたっては、職員の人数や行政の仕事量といった量的な課題と、求められる能力を備えた人づくりにあたる、教育や組織の体制といった質的な課題があぶり出されてきました。

まず量的な課題においては、行政の仕事量全体を把握したのちに、民間開放を考えるに際して、まずは区として確保すべきサービス水準をどこに置くか、という点を明確にすることが必要です。(図3)

図3にあるように、業務量もしくはサービス需要量は月日とともに常に変化していきます。例えば保育や介護の分野では、子供の数や高齢者の数に伴ってそのニーズの量が変動するため、民間開放を活用せざるを得ない状況です。限られた人材でどの時代においても乗り切っていかなくてはいけない官側としては、今ある人材と能力で安定して供給できるサービスの量、継続的・安定的に官で担える水準をまずは明確に定める必要があります。

つまり官で担うレベルをどこに持っていくかで、アウトソーシングの必要量が決まってきます。そしてその適切なレベルを考える際に職員数の問題が連動してくるのです。(図4

本区の職員定数は、人口減少を想定しキャップがかけられています。つまり職員数の上限が決まっている中で、予想外に人口が増え、業務量は増えているという事態が続いています。したがって量的な課題を考えるにあたっては、区として確保すべきサービス水準をまず明確にしつつ、民間活用する領域の整理とともに適切な職員数とは何ぞやという問題についての検討が必要です。

一方、質的な課題については、職員に求められる能力を踏まえ、特に民間開放されやすい社会福祉やITなどの専門的な領域では、区の職員が民間の専門家達の仕事をモニタリングしたり管理したりする側になるため、それらを正しく評価したり判断したりする専門的な知識や技術、あるいはノウハウをもって、民間に対する適切なGOSTOPをかけていかなくてはなりません。したがってそのような能力を醸成するための教育体系や教育体制の整備が急務となっています。

そこで民間開放を有効に活用していくために必要な見直しについて、また区職員に求められる能力とそのための支援・組織体制について一般質問を行いました

<平成28年 第3回定例会(9月30日)>

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