強さとやさしさ併せもち10年先を見据えた区政 はやお恭一

私の思い

 「強くなければ生きていけない。やさしくなければ生きる資格がない」 レイモンド・チャンドラーの言葉だそうですが、人間に対してだけでなく、あらゆる組織においても必要なことだと思っております。


 つまり区政の視点でいうと、これからの地方自治体には、健全な財政により支えられた強さと、住民が暮らしやすい 行政サービスを、子育て世代、高齢者そして障害者に対して提供するというやさしさが絶対に必要だと私は考えます。


 また一人ひとりの立場におけるニーズの把握とその問題解決に取り組む中で民意を知り、それらを行政に反映させていく真摯な姿勢が今こそ重要であると感じています。


 自分自身も生まれ育ち、愛着のある千代田区だからこそ、今の充実はもちろん次世代にも愛される住み良いふるさとにしていきたい。 「子どもにツケをまわさない」 信念のもと、そんな 「夢のある未来を」 具現化するために、精一杯努力を続けてまいります。

私の原点

平成29年7月5日「故 与謝野 馨 元衆議院議員 お別れの会」が行われました。


私にとっては政治の父との別れとなりました。私を政治の道へ導いてくださったのは与謝野先生です。その思いもありこれまで、与謝野先生の所属(自由民主党→たちあがれ日本→無所属→自由民主党)が変わる毎に、私も政治行動をともにしてきました。


また、私の父の代から故 川俣光勝 元東京都議会議員、故 稲垣憲三 元千代田区議会議長をはじめとする地域の皆様とともに、与謝野先生を総理大臣にしよう!と心から願って支援をしてきたことも懐かしく思い出されます。

これまでの与謝野先生との思い出の中で、とても印象に残っている出来事があります。


平成23年1月12日。当時、世間では与謝野先生が菅政権に入閣するのでは?という噂が囁かれていました。その日、3か月後に区議会議員選挙(統一地方選)を控えていた私は、今後についてのご指導をいただきに、会派の議員らとともに四ツ谷にあった与謝野事務所を訪れました。

話し合いがひと段落したところで、私は思い切って「まさか、入閣されるなんてことはあるのでしょうか?」と尋ねました。与謝野先生は私の質問に顔色一つ変えず「入閣は99%ないよ。」と断言され、加えて唐突に田中角栄先生の話をされました。「大きな派閥の長になる人は『母性』の人なんだよな~。全てを受け入れ抱えてくれる母親の愛のような。」。


その5日後、与謝野先生の入閣のニュースが流れました。一瞬、自分の耳を疑いましたが、今から考えると、入閣の可能性は少なくとも1%はあったこと(100%ないとは言わなかったこと)、また先生自身、自分は母性の人ではない(むしろ『父性』の人であり後ろ姿で導く父親の愛を示すことしかできない)ということを伝えたかったのではないかと感じています。

一方で、私にとっては3か月後の区議選は大変なものとなりました。入閣に伴い与謝野先生がたちあがれ日本を離党されたことで、それまで選挙のために準備をしていた、たちあがれ日本の与謝野先生との二連ポスターを破棄し、無所属として再作成することを余儀なくされ、また世間の風当たりも強く、与謝野先生の名前のあるポスターの掲示を断る支援者も少なくありませんでした。そのような状況の中でも無事に無所属で当選させていただけたことには、ご支援くださった皆様方に本当に心から感謝の思いしかありません。そして今なお感じることは、一見、党を渡り歩いたように見える与謝野先生ですが、先生としては「この国を何とかしなくてはならない。後世にツケを回すわけにはいかない。」という一念を貫き、その一点ではご本人には何のブレもなく政治の道を歩いただけのことなのだろうな…ということです。

晩年の与謝野先生は、現役最後まで社会保障と税の一体改革に取り組まれていましたが、現在の社会保障費はおよそ32兆円、一般歳出の3分の1を占めるような状況となっています。この状況を思うとき、以前、国政報告会で、この国の社会保障の在り方について語っておられたことを思い出します。北欧の高福祉を望むのであれば、国民はそれだけ高負担(納税等)をする必要があること、日本はそこまで(北欧レベルの福祉を)目指すべきなのか疑問である、日本には日本に適した社会保障のかたちをまず決めなくてはならないとおっしゃっていたことです。


与謝野先生から教えていただいた、自分自身の政治理念、価値観をしっかりと据えてぶれずに取り組むこと、また広く国民の益となるよう描いたビジョンに向かって何をどのように整えなくてはならないか、考え行動する政治への姿勢は、今後私が基礎的自治体の議員としてそれらを引き継いでいくことで、政治の道の父である先生への供養につながると考えています。


お別れの会を終えて、今あらためてそのような思いを胸に、引き続き努力精進いたしてまいります。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。