強さとやさしさ併せもち10年先を見据えた区政 はやお恭一

非喫煙者と喫煙者の共生のために

2019/02/28 3:10 に 早尾恭一 が投稿   [ 2019/03/07 9:56 に更新しました]

 2020年の東京オリンピック・パラリンピック(以下、オリパラ)を控え、さまざまな準備が急がれる中、国の法改正、都の条例制定を踏まえ、オリパラを契機に望まない受動喫煙を無くそうという取り組みが区政においても加速しています。

 本区ではこれまで、生活環境整備の観点から、路上喫煙禁止をルール化するなど全国に先駆けた取り組みを進めてきた一方で、近年では事業所や飲食店等での禁煙化が進んだ結果、目立たない裏通りや公園などに喫煙者が集中してしまうという課題が生じています。特に昼間人口80万以上の本区では、区民の喫煙率は12.7%と国や都よりも低いものの、受動喫煙の機会のある人は58.8%となっており、公園を利用する機会の多い子供や子育て中の方々にとって、公園での喫煙問題は長年の懸案事項となっています。


 そのため本区では、分煙化のため公園内に喫煙場所を設け積極的に対策を講じてきました。ところが平成30年度計画において唐突に区内16公園の全面禁煙化とこれまで整備してきた公園内の分煙スペースの廃止が示され、また今後公園内に増設予定であった密閉型喫煙室を将来的に撤去し、代替案として明確な経費も場所の提示もないまま移動トレーラー方式の喫煙室(喫煙トレーラー)の準備へと突然方針が切り替わりました。

 そもそも、国や都の健康増進法の観点からの屋内禁煙の方針と、千代田区の生活環境条例における路上喫煙禁止の考え方とをお互いそのまま走らせると、屋外における喫煙者の居場所が無くなってしまうという構造にあります。喫煙者も非喫煙者もお互いに心地よく過ごせる共生社会を目指しつつも、オリパラという時限的な錦の御旗のもと、喫煙所の受け皿整備が間に合わないまま急激に禁煙化だけが進み、その結果、隠れた路上喫煙を助長することになれば本末転倒といえます。


 昼間人口約80万人という現実を考えると、拙速な禁煙化の推進の前に、まずは喫煙者の受け皿を早急に整備し、地域の事情を踏まえながら望まない受動喫煙を無くしていくべきとの思いから質問を行いました。

<平成30年 第1回定例会(3月1日)>