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神田祭を終えて

2015/10/25 8:07 に 早尾恭一 が投稿   [ 2017/01/01 4:18 に更新しました ]
 私の住む神田和泉町町会でも、例年、神田祭に向けての実行委員会が組織され、打ち合わせや会議を年明け早々から何度も重ねます。4月に入ると、奉納板の設置や大神輿の組み立てなどの大仕事も入ってきて、ゴールデンウィークをめどに取りかかります。週末にお祭りを控えた5月の第2週は、神酒所の設置や御霊入れの準備など、平日も日中から町会の役員さん方が奔走してくださり、会社勤めの人も休みを取ったり、自営業の人は仕事を出たり入ったりといった状況で町会内に人が集まり、それで祭り前はいつもにも増してまちに活気があるように感じるのかもしれません。

 そんな中で、私はいつもいくつかの役をいただくのですが、毎年変わらず拝命するのは、お神輿の御霊入れの儀にお供え物を盛る役です。以前は私の父がずっとその役を担当していたこともあり、息子だからできるだろ、という周囲の妙な期待(?!)にも逆らえず(^^;)、ありがたくさせていただいています。お供え物は、鎮守の神への感謝の気持ちを込めつつ、ご神事の間、決して崩れることのないよう、さまざまな種類の野菜と果物を三方の上にしっかりと飾らなくてはなりません。形、色、味、香りなどそれぞれ持ち味の違うもの同士をバランスよく組み合わせながら盛る作業は、いろんな人間が、それぞれの個性を活かし合い、持ちつ持たれつ協力し合う日々の町会での暮らしを象徴しているようにも思えます。

 再開発が進む中、高層の建築物が次々と周辺に増えていき、わが地域の風景も一昔前とは随分変わってきました。そのような変化の激しい地域において、いつまでも変わらないものをつないでいくこと、伝統を守り続けていくこと、そしてそれを通した人と人とのつながりを祭りが培ってくれている。祭りの季節が来るたびに、そう実感しています。

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